飯田グループなど大手パワービルダーと地元業者を比較
~それぞれの特徴と建物仕様の違い~
地元系不動産会社はパワービルダー建売住宅と差別化を図っている
こんにちは。
ゼロシステムズ代表の田中勲です。
本日(2023/05/06)は地元系不動産会社(東京都大田区)の新築を住宅診断しました🔍
今回の物件は、ローコストのパワービルダー系住宅とは、かなり差別化を図っていると感じられる物件でした✨
差別化ポイント
具体的な金額は申し上げることができませんが、そこそこ高価格の物件でした。
この価格帯の地元系不動産会社の新築では、建売住宅であっても、設備や建具などワンランク上の仕様の商品を採用していることが多いです。
■1.家具付き販売
家具付き販売の建売住宅
おしゃれな家具付き販売というのは、普通のパワービルダー系の建売住宅では、あまり見ないです販売手法です🤗
内覧の時点で、購入後の生活がイメージできます。
おしゃれな家具もそのまま付いてきます。
■2.間接照明✨
おしゃれな間接照明
リビングには間接照明が使われていました🤗
飯田グループ系の新築では、まず採用されていない設備です。
このような設備を後から取り付けるとなると、電気配線の工事なども必要なため、思った以上に費用と手間がかかります。
生活必需品という訳ではないので、入居後に後から取り付ける機会は、なかなか無いでしょう。
このような設備が最初から付いているのはポイントが高いです。
■3.ひと回り大きな洗面化粧台
高級感ある洗面台
少し大きめの洗面化粧台も間接照明でした✨
おしゃれで高級感がある洗面台なら、毎朝気持ちよく出かけることができますね。
■4.タンクレストイレ
TOTO製タンクレストイレ
TOTO製タンクレストイレは、背面がスッキリしていて開放感があります。
タンクが無いことで、トイレ裏まで床掃除がしやすいというメリットもあります。
ただし、タンクレストイレは電動のため、停電時や電気系統の故障時は使用できなくなります。
もちろん、手動や乾電池による使用も可能ですので、購入前に操作方法などをしっかり確認しておきましょう。
これを忘れると、長時間の停電時に大変な事になります・・・。
出典:SEKISUI HOUSE – 停電時のTOTO製トイレのご利用方法
■5.建具がおしゃれ
落ち着いたカラーリングのドア
素敵なデザインのドア✨
お部屋のドアも、間接照明などと同様、後から交換する機会は、なかなかありません。
ドア1枚交換するだけでも数万円の費用がかかります。
最初からおしゃれなドアで統一されているのはうれしいポイントです。
■6.キッチンのグレードが高い
ハイグレードなシステムキッチン
タッチレス水栓つきのキッチン
調理中や洗い物をして濡れた手、帰宅直後や作業して汚れている状態の手で水洗レバーを操作すると、その後にレバーも掃除しなければなりません。
センサー式のタッチレス水洗なら、そのような心配が無く、常にきれいな状態を保てます。
一方で、
・停電時には使用できない機能がある。
・水を流しっぱなしに出来ない。
・水温/流量の調整がやりにくい。
などのデメリットも存在します。
レバーによる操作も併用可能なので、操作方法を覚えておきましょう。
価格以外の設備やデザインでパワービルダーに対抗
大手パワービルダーはスケールメリットを活かしたローコスト住宅を販売しています。
中小の地元系不動産会社が建売住宅を分譲する場合、物件価格の面でローコスト住宅と競うことはできません。
そのため設備やデザインで差別化をはかり、価格競争に巻き込まれないようにしています。
近年では、そのような会社が生き残っています。
パワービルダーと地元系の不動産会社の建売住宅は、このように家づくりの考え方が違うので、建物仕様やデザインも気にして見学すると面白いです。
大手パワービルダーと地元業者 それぞれの特徴と仕様の違い
赤外線建物診断技能師の野方実で御座います。
引き続き、
飯田グループホールディングス(アーネストワン/タクトホーム/一建設/飯田産業/東栄住宅/アイディホーム)や、ケイアイスター不動産、三栄建築設計などを代表するパワービルダーと地元業者、それぞれの特徴と建物の仕様の違いについてお話しいたします。
コストダウンによる低価格販売
(パワービルダー)
パワービルダーは、材木や設備機器、建材などをメーカーから直接大量仕入れすることによって大幅なコストダウンに繋がり低価格で建物を販売することが出来ます。
また、現場監督さんが1人で多くの物件を担当することや、下請け業者さんたちへ仕事を切らさずに発注することが出来るので、結果的に人件費の削減にも繋がります。
そして現場作業を減らすことで工期を短縮し無駄な金利負担を抑えています。
数年前のお話しになりますがパワービルダーの建物原価は、床面積約30坪の2階建てで800万円台と聞きとても驚きました。
私の経験では同じ仕様で建てようとしても原価を1,000万円以下に落とすのは難しく、価格でパワービルダー系に対抗するのは不可能です。
差別化を図ってパワービルダーに対抗
(地元業者)
地元業者が、大手パワービルダーに価格面で対抗するのは、ほぼ不可能です。
そのため、パワービルダーよりも設備の仕様をグレードアップしたり、間取りを工夫するなどの差別化を図っている傾向があります。
では、具体的にどのように仕様が違うのか?
比較していきます。
具体的な仕様の違い
1.基礎・構造材・間取り
基礎幅なども、大きな違いはありません。
そのため、耐震性も、ほぼ変わりはありません。
2.屋根材
地元業者では、以前は瓦などを使用されている時期がありました。
しかし、耐震性が弱くなってしまうこともあり、現在ではほとんど使用されなくなりました。
3.外壁材
一方、地元業者では同じサイディングであっても16ミリの金具留めを使用していることが多く、14ミリの製品よりもデザイン性が高くなります。
また、サイディング工事よりも工期が掛かかる、モルタル仕上げやタイルを標準仕様にして、差別化を図っている地元業者もあります。
4.断熱材
地元業者の中には、建物の気密性が高くなる現場吹付の硬質ウレタンフォームを採用している所もあります。
5.サッシ
物件価格が上がってくると、より断熱性や結露等に優れる、アルミ樹脂複合サッシが使用される場合があります。
また、ガラスは近年、断熱性や遮熱性に優れるLow-E複層ガラスが一般的になってきました。
パワービルダーの中には、シャッターや格子などがオプション設定になっている場合があります。
6.建具・床材
しかし、表面の木目シートの質感や耐久性に違いがあり、パワービルダーが使用している一部の床や建具に傷に弱い製品があります。
床に関しては、どちらもノンワックスタイプが主流となっています。
より耐水性や摩耗性を高くするために、別途オプションでフロアコーティングをされる方もいらっしゃいます。
7.設備機器
①キッチン飯田グループホールディングスは自社ブランドであるファーストプラス製が使われていることが多く、浄水器や人工大理石のカウンターが標準仕様です。
しかし、引き出しのブレーキ機能や食洗器の有無に関しては物件価格によって仕様が変わってきます。
一方、地元業者ではパナソニックやリクシルそしてタカラスタンダードなどの製品が使われていて、物件価格に関わらず、食洗器や食器棚が設置されていることが多く、注文住宅と同等グレードを採用して差別化を図っています。
②バスルーム
浴室乾燥機が標準仕様になっていることも含め、どちらも大きな違いはありません。
③トイレ・洗面台
・メリットとしては・・・各部が分かれているので故障したときに安価という事
・デメリットとしては・・・各部の隙間があるので清掃性が悪いという事となります。
一方地元業者では、一体型のトイレを使用していることが多いです。
・メリットとしては・・・見た目がスタイリッシュで清掃性が良いという事。
・デメリットとしては・・・故障したときに分離型より割高になってしまう事です。
④電気関係
しかし、コンセント数に関してパワービルダーは少ない印象で、リビングのテレビが設置される場所のコンセントの口数が2口の場合も御座います。
地元業者の中には各居室に有線で引きこめるように配管されている場合があります。
建物仕様比較のまとめ
以上、それぞれの建物仕様を比較してみました。
・コストパフォーマンス抜群のパワービルダー
・コストアップはするけど注文住宅に近い仕様の地元業者
どちらも、建物の耐久性や維持管理などに大きな差はありません。
実際に価格と仕様を見比べて、どちらの建物が自分に合うのかを判断されると良いでしょう。
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