【建売住宅】住宅性能評価で物件を選ぶポイント!断熱等級|耐震等級|劣化対策等級
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第497-2回目 (2024年4月11日放送分 その②)となります。
今回のテーマ『住宅性能評価書で建売住宅を見極めるコツ』
次は、初めて建売住宅を買う人はここに気を付けて…という大きなくくりの中で、
『住宅性能評価書で建売住宅を見極めるコツ』
というテーマでお話を進めていきます。
住宅性能評価の有無は、その家の耐震性、建物の寿命、省エネ性能などだけでなく、購入後の税優遇や補助金などに影響します。
初めて建売住宅を購入する人には、必ず知っておいて欲しいお話です。
ぜひ、最後までご視聴ください。
それではサッシーさん。
リスナーさんから『住宅性能評価』についてご質問をいただいているので、ご紹介お願いします。
承知しました。
ラジオネーム:はじめまして さん からのご質問です。
質問:住宅性能評価を取得している物件と取得していない物件の違いを知りたい
田中先生、こんにちは。はじめて質問させていただきます。
私は、今、新築の建売住宅の購入を検討しています。
物件の広告を見ていると、「住宅性能評価書取得」と記載されている物件があれば、記載のない物件もあります。
記載のない物件は、住宅性能評価書を取得していない物件になるのですか?
住宅性能評価を取得している物件と取得していない物件の違いについて番組で取り上げてもらえると助かります。
宜しくお願いします。
ラジオネーム:はじめまして さんからのご質問
ラジオネーム:はじめまして さん。
ご質問ありがとう御座います。
『住宅性能評価書』を取得している物件と取得していない物件の違い
確かに、販売図面に『住宅性能評価書取得』と書いている物件もあれば、書いていない物件もあります。
住宅性能評価書マーク
住宅性能評価書の取得とは、その物件にとって非常に大きなアピールポイントになります。
そのため、取得していれば必ず記載されているはずです。
ということは、販売図面に記載されていなければ、住宅性能評価書を取得していない物件である可能性が非常に高いと言えます。
ただし、絶対ではありません。
販売図面に記載がなければ、(建売住宅を購入する人にとって)必ず確認すべき事項のひとつと言えます。
なるほど。
それでは、住宅性能評価について詳しく教えてください。
住宅性能評価とは?
承知しました。
『住宅性能評価』は建物性能の通知表のようなものです。
具体的には、以下の10分野に区分されます。
- 構造の安定に関すること(耐震等級)
- 火災時の安全に関すること
- 劣化の軽減に関すること(劣化対策等級)
- 維持管理・更新への配慮に関すること(維持管理対策等級)
- 温熱環境に関すること(断熱等級、一次エネルギー消費量等級)
- 空気環境に関すること(ホルムアルデヒド対策)
- 光・視環境に関すること
- 音環境に関すること
- 高齢者等への配慮に関すること
- 防犯に関すること
新築では、さらに多くの評価項目があります。
この評価項目は、マンションのみに適用されて一戸建てに適用されないものや、特定の地域のみに適用されるものなども含まれています。
出典:住まいの情報発信局
評価項目は全ての新築で同じではないのですね。
そういうことです。
『住宅性能評価で数値が高ければ良い家』と簡単に判断できるのですね。
各評価項目の数字が高ければ性能が良いと判断できます。
しかし、性能表示項目間では、トレードオフ関係にある場合があります。
トレードオフの関係?
どういうことですか?
ある性能を高めようとすると、他の性能が低くなってしまうということです。
例えば、光・視環境の性能を高めるということは、日光を室内に取り入れやすくするために窓を大きするので、壁面が減ります。すると、耐震等級や断熱等級の性能が低下することもあるということです。
なるほど。 全ての性能表示を上げることは出来ないのですね。
そういうことです。
住宅ローン控除 / 子育てエコホームとの関連
次に、住宅ローン控除や子育てエコホームとの関連について説明します。
2024年から住宅ローン控除に対応する物件かどうかは、建物の省エネ性能によって異なります。
具体的には、省エネ基準適合住宅は、借入限度額の3000万円まで住宅ローン控除を受けられます。
この省エネ基準適合住宅とは、住宅性能評価でいうと、断熱等級4かつ一次エネルギー消費量等級4の性能である必要があります。
しかし、住宅性能評価を取得していない物件では、個別に省エネ基準に適合しているかどうかの検査を受けて、省エネ基準適合証明書を発行してもらう手間と費用がかかります。
別途費用がかかるということですか?
はい。そういうことです。
この発行手数料は分譲会社によって異なりますが、10万円前後である会社が多いです。
つまり、住宅性能評価を取得していない物件は、住宅ローン控除を受けるために10万円前後の手数料がかかるということです。
住宅ローン控除を受けるため、10万円も手数料がかかってしまうのですか…。
ただし、住宅性能評価を取得していない新築の中には、省エネ基準適合証明書の発行基準をクリアできない物件もあるので注意が必要です。
それでは、初めから住宅性能評価書があった方が分かりやすいですよね。
その通りだと思います。
また、住宅性能評価で断熱等級5かつ、一次エネルギー消費量等級6であれば、ZEH住宅として、住宅ローン控除の限度額3,500万円まで拡充され、さらに有利になります。
それは良いですね。
『子育てエコホーム』制度について
また、2024年からは『子育てエコホーム』という補助金の制度が始まりました。
『子育てエコホーム』とは、どのような補助金なのでしょうか?
簡単にいうと、新築一戸建てを購入する際に…
- ・長期優良住宅であれば100万円
- ・ZEH住宅であれば80万円
新築を買うと、国からお金がもらえるのですか!?
そうなんです。
ここで言う『ZEH住宅』というのは、住宅性能評価でいうと、断熱等級5かつ、一次エネルギー消費量等級6の省エネ性能をクリアしている住宅となります。
それをクリアしていれば、国から80万円もらえるということですか?
そういうことです。
逆に、住宅性能評価を取得していない物件では、80万円もらえないことになります。
それなら断然、取得している物件の方が良いですよね。
そうですね。
ただし、まだ全ての物件がこの評価を取得しているわけではありません。
建売住宅を購入する人は気を付ける必要があります。
こんなに有利になる制度なのに、なぜ取得していない会社があるのですか?
住宅性能評価を取得するにはコストと時間がかかるからなんです。
建売住宅は、物件価格を安くするために、出来るだけ工期を短くしてコスト削減しています。
そのため、まだ住宅性能評価を取得していない会社が多いのが現状です。
なるほど。コスト削減が絡んできているのですね。
物件価格と工期を抑えるか。補助金のためにコストをかけて住宅性能評価を取得するか。
そんなところですね。
住宅性能評価で建売住宅を見極めるポイント
ここからは、断熱等級や一次エネルギー消費量等級以外で、住宅性能評価で建売住宅を見極めるポイントについてお話していきます。
はい。お願いします。
耐震等級
耐震等級について ※画像は拡大します
まず、1つ目は耐震等級です。
やはり、耐震等級3の最高等級を取得している物件が安心かと思います。
耐震等級3の定義は、
『極めて稀に(数百年に一度程度)発生する地震による力の1.5倍に対して倒壊、崩壊等しない程度』
とされています。
なお、耐震等級で最高等級3を取得している新築であれば、地震保険の保険料が半額になるという金銭面でもお得になります。
最近、地震が多いので気になりますね。
劣化対策等級
劣化対策等級について ※画像は拡大します
次に注目したいのは、劣化対策等級です。
住宅に使われている材料は、時間の経過とともに、劣化が進行して、最終的には建て替えが必要になります。
劣化対策等級では、構造躯体に使用されている木材に着目して、劣化を軽減する対策の程度を評価して等級として表示しています。
具体的には、水分や湿気による木材の腐食やシロアリ被害を軽減するための対策として、通気や換気をはじめとする工法上の工夫や高耐久の木材の使用といった材料の選択などで評価しています。
これもできれば最高等級3を取得していたいところです。
劣化対策等級3の定義は、
『通常想定される自然条件及び維持管理の条件の下で3世代(おおむね75~90年)まで、大規模な改修工事を必要とするまでの期間を伸長するため必要な対策が講じられている』
とされています。
従って、劣化対策等級3を取得している新築なら、建売住宅であっても適切な維持管理を続けて行けば、構造体は 75年~90年は使えるという目安になります。
やはり、維持管理等級3は欲しいところですよね。
建物の寿命の目安が分かりますね。
維持管理対策等級
維持管理対策等級について ※画像は拡大します
そして、維持管理対策等級も、最高等級である3が欲しいところです。
これは、給排水管やガス管の維持管理が容易かどうかを判断する基準となります。
維持管理対策等級3の定義は、
『掃除口及び点検口が設けられている等、維持管理を容易にすることに特に配慮した措置が講じられている』
ということです。
建物の配管の維持管理が、しやすいということですね。
まとめ
これから建売住宅を購入するのであれば、住宅性能評価で…
- ・耐震等級3
- ・劣化対策等級3
- ・維持管理対策等級3
- ・断熱等級5
- ・一次エネルギー消費量等級6
初めて建売住宅を購入しようとしている人が勘違いしやすい点なのですが、住宅性能評価の検査は、あくまでも各性能が基準に適合しているかの検査であって、欠陥住宅であるかの検査ではありません。
住宅性能評価を取得している物件であっても、ゼロシステムズで住宅診断を実施すると、手抜き工事や施工不良による欠陥を発見することがあります。
住宅性能評価書を取得している物件であっても、住宅診断は必要だと私どもでは考えております。
住宅性能評価を取得していても、欠陥が見つかる可能性がある。
『住宅性能評価を取得している物件 = 欠陥住宅ではない』とは言い切れないのですね。
今回の標語
それでは、いつものように 五・七・五 の標語にまとめてみます。
お願いします。
耐震を
知らずに購入
悔やまれる
耐震性能を調べないで購入して、大きな地震がある度に不安になり、悔やむことの無いように、しっかり調査しましょう。
ゼロシステムズでは、契約する前に必ず耐震診断を実施して説明します。
耐震性能を知らずに購入するということはありません。
地震で倒壊しやすい家の特徴と建物の耐震についての記事はこちらです↓
【耐震】地震で倒壊しやすい家の特徴と建物の耐震について
なるほど。
田中先生。ありがとう御座いました。
不動産せんせい田中の【教えて不動産の知恵袋】
次回もお楽しみに!
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