【知っておきたい】東京都公式の地震危険度ランキング発表!地域危険度一覧表から読み解く防災リスク!
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FM76.7MHzフラワーラジオ にて毎週放送!
レギュラー番組:『不動産せんせい田中の教えて!不動産の知恵袋』
第515-2 (2024年8月15日放送分 その②) となります。
※記事は動画を元に校正/編集しております。そのため、言い回しなど本編と異なる部分がございます。
今回のテーマ『東京都内で地震災害に最も弱いエリアはココだ!』
FM鴻巣フラワーラジオ
不動産せんせい田中の『教えて!不動産の知恵袋』
不動産せんせい田中の教えて不動産の知恵袋!
皆さま、こんにちは!
番組MCのフジコで御座います。
田中先生、後半も宜しくお願いします。
さて、どんなお話をいただけるのでしょうか?
後半は、
『東京都内で地震災害に最も弱いエリアはココだ!』
というテーマでお話していきます。
それは、興味があります!
建物が丈夫でも、災害に弱い立地では意味ないですからね。
今後30年以内に首都直下型の大地震がくると言われ続けていますからね。
今年の頭に能登半島でも大きい地震が起きて、先日は、南海トラフ関連の強い地震が発生しました。
阪神大震災、東日本大震災、熊本地震、能登半島地震、そして南海トラフ地震、少しずつ東京へ近づいている感じがしますよね。
それ、わかります!
そこで、東京都内で引越しを検討している人に役立ちそうなホームページがありましたので、ご紹介させて頂きますね。
地域危険度一覧表
画像引用:東京都不燃化ポータルサイ – 区市町別 地域危険度一覧表
東京都の都庁総合ホームページに『地域危険度一覧表』というものがあります。
ここでは『東京都の危険な場所ランキング』が一覧になっているんですよ!
すごい!
そんなのあるんですね。
そうなんです。
東京都内で引越しするときには、チェックしておくと良いです。
東京都では、定期的に『地震に関する地域危険度測定調査』というものが行われていて・・・
- ・建物の構造
- ・築年数
- ・高さ
- ・密集度
- ・建物の用途
- ・道路の幅
- ・公園などの空地の有無
それを危険度のランク別に色分けして、ひと目でわかるようにしています。
■危険度ランクの色分け
画像引用:東京都不燃化ポータルサイト – あなたのまちの地域危険度(PDF)
地図にすると以下のようになります。
■危険度ランクの色分け地図
画像引用:東京都不燃化ポータルサイト – あなたのまちの地域危険度(PDF)
足立区、荒川区、墨田区を中心に、こげ茶色の危険度ランク5が目立っています。
この危険度ランクは、地盤の固さよりも、木造住宅の密集度が大きく関わっている感じです。
なるほど。分かりやすいですね!
分かりやすいですよね。
それではここで、リスナーさんから墨田区の土地に関連したご質問をいただいておりますので、フジコさん、ご紹介お願いいたします。
承知しました。
ラジオネーム:とうふ さんからのお便りです。
質問:墨田区は土地が強くないイメージがあります
田中せんせい、いつもラジオ聴いております!
とうふ と申します。
息子夫婦が墨田区で借地権の新築一戸建ての購入を検討しています。
職場も都内のようで立地は良いそうなのですが、墨田区は、あまり土地が強くないイメージがあります。
この辺りの土地について、田中先生はどんな印象を持たれていますか?
ぜひ教えていただきたいです!
ラジオネーム:とうふ さんからのお便り
ラジオネーム:とうふ さん。
ご質問ありがとうございます。
古い住宅が密集して道路が狭く建替えが出来ない
東京は戦時中に空爆の戦火に巻き込まれた過去があります。
墨田区や荒川区などは、当時、焼け野原になった場所もあれば、奇跡的に助かった場所がありました。
戦時中、空爆で焼けてしまった場所は戦後の復興で街が整備されましたが、逆に被害の少なかった地域は戦前の街並みが残っていて、今でも道幅が狭く、昔ながらの木造の住宅が密集しています。
また、お寺が地主の借地権が多く、代替わりしても再開発が進まないエリアでもあります。
道路が狭すぎて建替えができない物件も多く、古い木造住宅はリフォームを繰り返して使われています。築50年を過ぎている建物も少なくありません。
なるほど。建物が古いと地震があった時に崩れちゃいそうですよね。
旧耐震基準 と 新耐震基準
建物の耐震性能を示す基準は、旧耐震基準と新耐震基準があります。
- ◆耐震基準制度の施行年
- ・旧耐震基準:昭和56年6月よりも前に建築確認を取得した建物
- ・新耐震基準:昭和56年6月以降に建築確認を取得した建物
- ◆耐えうる震度の基準
- ・旧耐震基準:震度5強
- ・新耐震基準:震度6強~7程度
更に、阪神大震災以降の2000年からは
- ・地盤に応じた基礎設計
- ・接合金物
- ・壁量バランス
旧耐震の建物は、首都直下型地震がきたら倒壊してしまいそうですね。
倒壊の可能性は高いです。
地震の後に起こる火災が危険
ですが、地震の揺れによる倒壊も怖いのですが、地震による火事の方が危険です。
能登半島地震でも、地震直後に発生した大規模火災の映像を覚えているかと思います。
そうですね。
阪神淡路大震災、東日本大震災でも、直後に大規模な火災が発生していましたよね。
大地震の後には火災が発生します。
特に今年の能登半島地震では、地域柄、歴史ある木造住宅が多かったことも災いしました。木造住宅が密集していると火の回りが非常に早いのです。
また、住宅が密集した地域では道路幅が狭く、消防車が入っていけないという問題も発生します。
火の周りが早い上に、消防車が火の近くまで行けないのでは、消火活動に支障をきたしますよね。
そうなんです。その場合、消防車は火災現場から離れた場所で消火に当たることになります。ホースの届く範囲であれば良いのですが・・・。
怖いですね。
それに、せっかく消防車が来ているのに、道が狭くて火元に近づけないのは、もどかしいですよね。
走路の幅が狭いと建替えが出来ない
物件の接道幅が狭いと、合法的に家の建て替えが出来ないという事情もあります。
建築基準法では、幅員4m以上の道路に間口2m以上接していないと、建築確認を取得することが出来ません。
家の建て替えが出来ないということですね?
建替えはできますが、条件があります。
(戦後、昭和25年に建築基準法が制定された時点で、幅員1.8m以上、4m未満の道路は、42条2項道路に指定されて、建築基準法上の道路として認められましたので、建替えはできます。)
42条2項道路で建て替えするときには、セットバックが必要になります。
■42条2項道路とセットバックについて
田中先生、42条2項道路とセットバックについて、具体的に説明していただけますか?
失礼しました。説明します!
42条2項道路のセットバック(道路後退)の解説
まず、42条2項道路とは、道路幅員が1.8m以上4m未満の狭い道のことを言います。
セットバックとは、42条2項道路のような『道路幅4m未満の場合、道路中心線から2m後退した部分を、敷地と道路の境界としなければならない』という事です。
『自分の敷地を、道路として提供しなければならない』ということですか?
そうしたら、自分の敷地が狭くなっちゃいますね。
そうですね。
ですが、狭い道路も建替えするときにセットバックしていけば、いずれ4m以上の道路になります。そうなれば防災的にも安全な街になります。
なるほど。そのようにして、狭い道を少しづつ拡張していくのですね。
そうなります。
ですが・・・昭和25年の段階で幅員1.8m未満の狭い道の場合は、建築基準法上の道路とされていないため、セットバック義務がありません。
そのため、幅員1.8m未満の道路に面している土地では、原則として今でも建替えが出来ません。
道が狭いと消防車も入れないですから、消火が遅れますよね。避難するのにも影響がありそうです。
その通りです。
東京都内、特に『下町』と呼ばれるようなエリアには、幅が狭い道が多く木造住宅が密集している、災害に脆弱なエリアが存在しています。
下町って、最近は『住みたい街ランキング』とかに入ってきていますが、実は気をつけないといけないエリアなんですね。
足立区 / 荒川区 / 墨田区 の危険度が高い
画像引用:東京都不燃化ポータルサイト – あなたのまちの地域危険度(PDF)
では再び、東京都の『地域危険度一覧表』の地図を見てみます。
こげ茶色のエリアは、危険度が高いエリアになります。
改めて見てみると、やはり、足立区 / 荒川区 / 墨田区 辺りの危険度が高そうですね。
そうなんですよね。やはり密集度が高い下町は危険度5です。
総合危険度 1位と2位は荒川区
地域危険度-1位 荒川区荒川6丁目
地域危険度-2位 荒川区町屋4丁目
その中でも荒川区は多くのエリアで、こげ茶色の危険度ランク5に該当しています。
東京都の地域危険度一覧表を見ると、荒川区荒川6丁目が総合危険度 1位になっています。2位も荒川区町屋4丁目です。
荒川区のワンツーフィニッシュですね。
荒川区の町屋駅は、東京メトロ千代田線で、大手町まで約12分という好立地で利便性が良く、人気があります。
ただし、住宅の購入を検討するときには、その物件の周囲の密集度も確認することが大切です。
まとめ
近年、住宅を購入するときには、将来のリセールを意識した経済性を重視の物件選びが注目を集めています。しかし、ご自身や大切な家族が住むのであれば、そのエリアの安全性を見つめ直す必要があると考えます。
今回は、密集度に関して東京都が作成した地域危険度一覧のお話に限定しました。
ですが、住宅を購入するときには・・・
- ・水害
- ・内水
- ・土砂災害
- ・津波
- ・液状化
- ・揺れやすさ
ハザードマップを確認して、居住誘導区域や都市機能誘導区域などを確認して、将来にわたり人口が減り難いエリアから選定することで、安全で価値が下がり難い物件の購入が実現できます。
高いお金を払って家を買うのですから、諸々の確認は大切ですよね。
今後30年以内に首都直下型地震が発生する確率は70%と言われています。
それを考えると、この東京都の地域危険度一覧のデータは非常に役に立つはずです。
今回のお話をまとめますと、以下のようになります。
- ・首都直下型地震の本当の怖さは、地震のあとに発生する大規模火災
- ・建物の密集度が高く、道路幅が狭いエリアは、防災が弱い
- ・密集度以外にも、土砂災害や水害など、様々なハザードマップの確認が重要
なるほど。
田中先生、ありがとう御座いました。
今回は『東京都内で地震災害に最も弱いエリアはココだ!』というテーマでお送りしました。
不動産せんせい田中の【教えて不動産の知恵袋】
次回もお楽しみに!
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