【マンション】マンション価格高騰は終わる?都心マンションは暴落するのか、今後の市場を解説
都心のマンション価格は依然として高い水準ですが、市場全体が一律に暴落する局面ではありません。今後は、立地や管理状態に優れた物件と、投機によって割高になった物件の選別が進み、売出し価格の修正が増える可能性があります。
どうなる?マンション市場!上がり過ぎた物件価格は暴落するのか?
この記事のポイント
2026年5月の首都圏新築マンションは、平均価格が1億660万円となり、東京23区や都心6区ではさらに高額化しています。一方、首都圏全体の初月契約率は64.9%で、価格や立地、間取り、ブランドによって売れ行きに差が出ています。
建築費の高止まりはマンション価格を支える要因ですが、金利上昇は住宅ローン利用者の購買力を低下させます。この記事では、マンション価格が今後どう動くのか、購入時に何を確認し、どのような物件に注意すべきかを整理します。
※記事はYouTube動画収録用の原稿をもとに要約しています。
そのため、公開後のYouTube動画と内容が異なる部分がございます。
- 執筆者:田中 勲
(宅建士、ホームインスペクター、FP) - YouTube – 田中勲の『不動産の知恵袋』
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首都圏の新築マンション価格は高止まり
2026年5月の首都圏新築マンションの平均価格は1億660万円となり、前年同月比で13.5%上昇しました。ただし、契約率を見ると、価格が高ければ何でも売れる市場ではありません。
平均価格は1億円を超える水準
不動産経済研究所が公表した2026年5月の首都圏新築分譲マンション市場動向では、発売戸数は1,447戸、平均価格は1億660万円、1㎡当たりの単価は156.3万円でした。
前年同月比では、平均価格が13.5%、㎡単価が11.4%上昇しています。㎡単価は13カ月連続で上昇しており、マンション価格は依然として高い水準です。
契約率は64.9%で物件ごとの差が拡大
首都圏全体の初月契約率は64.9%でした。一般に、新築マンションの初月契約率は70%前後が好調の目安とされるため、現在の市場は「販売すればすぐに完売する」という状態ではありません。
立地、価格、間取り、ブランド、管理計画などによって売れ行きに差が出ており、購入者による物件選別が強まっていると考えられます。
出典:不動産経済研究所「首都圏 新築分譲マンション市場動向 2026年5月」
- ・首都圏の平均価格は1億660万円
- ・㎡単価は156.3万円で13カ月連続上昇
- ・初月契約率は64.9%
- ・高価格でも条件が弱い物件は売れにくくなっている
建築費の上昇がマンション価格を下支え
マンション価格が高止まりしている背景には、資材費や労務費の上昇による建築費の高騰があります。建築費が大きく下がらなければ、新築価格も下がりにくい状況が続きます。
約10年間で建築費は4割以上上昇
一般財団法人建設物価調査会の建築費指数では、2015年の平均を100とした場合、2026年5月の集合住宅・鉄筋コンクリート造の工事原価は144.3、住宅・木造は149.6となっています。
| 建物種類 | 2026年5月の工事原価指数 | 前月比 |
|---|---|---|
| 集合住宅・RC造 | 144.3 | +0.3% |
| 住宅・木造 | 149.6 | +0.1% |
資材価格だけでなく、人手不足による労務費の上昇や工期の長期化も建築費を押し上げています。建築費の高騰は一時的なものではなく、高い水準で定着しつつあります。
建築費が下値を支えるが価格上昇を保証するものではない
建築費が高いことは、新築マンション価格が急激に下がりにくい要因になります。ただし、建築費が高いからといって、すべての物件価格が維持されるわけではありません。
購入者がその価格を負担できなければ、販売戸数の調整、専有面積の縮小、仕様変更、値引きなどによって調整される可能性があります。
- ・マンションの建築費は2015年比で4割以上上昇
- ・資材費、労務費、工期長期化が建築費を押し上げている
- ・建築費の高止まりは新築価格を下支えする
- ・需要が弱ければ、値引きや面積縮小などによる調整も起こる
都心6区の高額化と進む物件選別
都心6区の新築マンション平均価格は2億円を超えていますが、平均価格だけで市場全体を判断することはできません。超高額住戸が平均値を押し上げている可能性も考慮する必要があります。
東京23区と都心6区の価格
2026年5月の東京23区は、発売戸数551戸、平均価格1億6,286万円、㎡単価245.5万円、契約率64.2%でした。
さらに、千代田区、中央区、港区、新宿区、文京区、渋谷区の都心6区では、発売戸数214戸、平均価格2億1,372万円、㎡単価321.0万円となっています。
| 地域 | 発売戸数 | 平均価格 | ㎡単価 | 契約率 |
|---|---|---|---|---|
| 首都圏全体 | 1,447戸 | 1億660万円 | 156.3万円 | 64.9% |
| 東京23区 | 551戸 | 1億6,286万円 | 245.5万円 | 64.2% |
| 都心6区 | 214戸 | 2億1,372万円 | 321.0万円 | ― |
富裕層や海外資金も価格を支えている
都心6区の高額マンションでは、一般的な住宅購入者だけでなく、富裕層、法人、相続対策を目的とする購入者、海外投資家などの需要も価格を支えていると考えられます。
そのため、一般世帯の住宅ローン返済能力だけでは説明できない価格帯が形成されることがあります。一方で、契約率は好調の目安を下回っており、都心であっても価格設定が強すぎる物件は慎重に見られています。
平均価格ではなく個別物件を見る
平均価格が2億円を超えていても、すべての住戸が同じ価格帯という意味ではありません。超高額住戸が少数含まれるだけで、平均値は大きく上昇します。
購入判断では、平均価格だけでなく、中央値、専有面積、坪単価、同じマンション内の成約事例、周辺物件との価格差を確認することが重要です。
- ・東京23区の平均価格は1億6,286万円
- ・都心6区の平均価格は2億1,372万円
- ・富裕層、法人、海外資金なども価格を支えている
- ・平均値だけでなく、坪単価や個別の成約事例を見る
マンション購入で重視すべき3つの条件
これからマンションを購入する場合は、現在の価格だけでなく、将来売却しやすい条件と長期的な維持費を確認することが重要です。
1.駅距離や再開発などの立地条件
マンションの資産性では、駅からの距離、交通利便性、周辺の生活環境、再開発計画などが重要です。駅直結や駅近、大規模再開発エリアなどは、将来も需要が維持されやすい傾向があります。
マンションは敷地を区分所有者全員で共有するため、戸建住宅と比べると、土地そのものを自由に利用できません。その分、立地と利便性が物件価値を左右しやすくなります。
2.売却しやすい間取り・面積・管理状態
特殊な間取りや極端に狭い住戸は、購入者層が限られる場合があります。将来の売却を考えるなら、地域の需要に合う間取りや面積であるかを確認してください。
また、長期修繕計画、修繕積立金、管理費、管理組合の運営状況も重要です。築年数が進むにつれて修繕費が増える可能性があるため、現在の負担額だけでなく、将来の値上げ予定も確認する必要があります。
3.金利上昇に耐えられる住宅ローン計画
購入時点で返済できるかだけでなく、金利上昇や管理費・修繕積立金の増額が重なっても返済を続けられるかを確認することが大切です。
特に変動金利を利用する場合は、金利が0.5%、1.0%上昇した場合の返済額を試算し、家計に余力を残した借入額に抑える必要があります。
- ・駅距離、交通利便性、再開発などの立地を確認する
- ・需要が見込める間取り、面積、管理状態を選ぶ
- ・修繕積立金と管理費の将来負担を確認する
- ・金利上昇を想定した無理のない住宅ローン計画を立てる
金利上昇がマンション価格に与える影響
金利が上昇すると、同じ毎月返済額で借りられる住宅ローンの金額が減少します。買い手の購買力が低下するため、割高なマンションほど価格調整を受けやすくなります。
日銀は政策金利を1.0%程度へ引き上げ
日本銀行は2026年6月の金融政策決定会合で、無担保コールレートを1.0%程度で推移するよう促す方針を決定しました。今後も経済や物価の状況に応じて、政策金利を引き上げる可能性が示されています。
政策金利の上昇は、住宅ローンの変動金利や不動産投資ローンの調達コストにも影響します。そのため、マンション価格だけでなく、利息を含めた総返済額で判断する必要があります。
出典:日本銀行「金融市場調節方針の変更について」2026年6月16日
金利1%上昇で借入可能額が約15%減る試算
35年返済で毎月返済額を同じにした場合、金利が0.5%から1.5%へ1%上昇すると、借入可能額は概算で約15%減少します。これは計算条件を限定した試算であり、実際の審査結果や物件価格の下落率を示すものではありません。
| 物件価格 | 購買力が15%低下した場合の目安 |
|---|---|
| 5,000万円 | 約750万円 |
| 8,000万円 | 約1,200万円 |
| 1億円 | 約1,500万円 |
| 2億円 | 約3,000万円 |
この金額は、マンション価格が同額下落するという予測ではありません。買い手が同じ返済負担で購入できる予算が減ることで、売主の希望価格と買い手の予算に差が生じやすくなることを示す目安です。
短期転売物件は金利上昇の影響を受けやすい
投機目的で短期転売を狙う場合、金利上昇によって保有コストが増え、次の購入者の借入可能額も減少します。そのため、実需を上回る価格で取引されてきた未入居転売物件などは、価格修正の影響を受けやすくなります。
- ・日銀は無担保コールレートを1.0%程度へ引き上げた
- ・金利上昇は住宅ローン利用者の購買力を下げる
- ・金利が1%上がると借入可能額が約15%減る試算もある
- ・これは物件価格の下落率を示すものではない
- ・短期転売を前提とする物件は価格調整に注意する
値下がりリスクが高いマンションの特徴
今後は、都心マンションであっても、実需に見合わない価格で売り出されている物件や、売却住戸が急増している物件は値下がりリスクが高くなります。
投機色が強く実需が弱い物件
実際に住むことを目的とする購入者より、短期転売を目的とする所有者が多いマンションでは、市況が変化したときに売却物件が一斉に増える可能性があります。
同じマンション内で売出し物件が急増すると、売主同士の価格競争が起こり、値下げしなければ成約しにくくなる場合があります。
周辺相場より明らかに高い再販売物件
新築時の価格に短期転売の利益を上乗せした未入居物件や、周辺の成約相場より大幅に高い中古物件は注意が必要です。
売出し価格は売主の希望額であり、実際に売買された成約価格とは異なります。購入前には、同じマンションや周辺物件の成約事例と比較してください。
立地や利便性に対して価格が強すぎる物件
駅から遠い、買い物が不便、管理状態が悪いなど、需要を支える条件が弱いにもかかわらず、都心相場に連動して価格だけが上昇した物件は、相場変化の影響を受けやすくなります。
また、住宅ローン利用者が手を出しにくい価格帯まで上昇した物件も、金利上昇によって買い手が減る可能性があります。
すでに所有している場合は売却時期も検討する
値下がりリスクが高い条件に当てはまるマンションを所有している場合は、賃貸収益、残債、税金、今後の修繕費などを確認し、保有を続けるか売却するかを検討する必要があります。
- ・短期転売を目的とする所有者が多いマンション
- ・周辺相場より明らかに高い未入居転売物件
- ・駅距離や生活利便性に対して価格が強すぎる物件
- ・同じマンション内で売出し物件が急増している物件
- ・金利上昇によって購入者が減りやすい価格帯の物件
為替と投資マネーも価格を左右する
都心の高額マンションは、国内の住宅ローン利用者だけでなく、投資家の資金調達コストや為替相場の影響も受けます。
金利上昇で不動産投資の採算が変わる
金利が上昇すると、不動産投資ローンの返済負担が増えます。また、預金や債券など他の金融商品の利回りが上昇すれば、投資家はマンション投資と他の運用方法を比較するようになります。
現金で購入する投資家であっても、他の金融商品で得られる利回りが高くなれば、高額マンションを購入する必要性を慎重に判断する可能性があります。
円安は海外投資家にとって割安要因
円安の局面では、海外投資家から見て日本の不動産が相対的に安く見える場合があります。これが都心マンションの需要を支える要因の一つになります。
一方、円高方向へ動けば、海外投資家にとって日本の不動産価格は上昇したように見えます。為替差益への期待も弱くなるため、購入意欲が低下する可能性があります。
都心6区でもすべてが一律に動くわけではない
駅直結、駅近、大規模再開発エリア、ブランド力のある物件などは、一時的な価格調整が起きても需要が残りやすいと考えられます。
一方、海外資金や短期転売に依存し、実需の購入者がついてこられない価格帯まで上昇した物件は、売出し価格を下げなければ成約しにくくなる可能性があります。
- ・金利上昇は不動産投資家の資金調達コストを増やす
- ・他の金融商品の利回り上昇も投資判断に影響する
- ・円安は海外投資家にとって日本の不動産を割安に見せる
- ・円高になれば海外需要が弱まる可能性がある
- ・立地と実需が強い物件は価格を維持しやすい
相場全体の暴落ではなく割高価格の修正
今後起こりやすいのは、都心マンション市場全体の一律な暴落ではなく、実需とかけ離れた割高な売出し価格の修正です。
売出し価格と成約価格の差が広がる可能性
新築マンションや未入居転売物件では、売主が高い希望価格を維持していても、その価格で買う購入者がいなければ成約しません。
今後は、売出し期間の長期化、価格改定、個別の値引き交渉などが増え、広告に掲載されている価格と実際の成約価格の差が広がる可能性があります。
購入判断は物件ごとに行う
「都心だから上がる」「マンション価格は必ず下がる」といった一律の見方では判断できません。駅距離、再開発、管理状態、間取り、同一マンション内の売出し件数、周辺の成約価格などを確認する必要があります。
また、将来の売却価格だけを期待して購入するのではなく、自分が長く住み続けても無理がない物件か、管理費や修繕積立金を含めて負担できるかも重要です。
金利上昇後の総返済額まで確認する
マンション価格が高い状態で金利も上昇すると、購入後の家計負担は大きくなります。購入時には、現在の返済額だけでなく、金利上昇後の返済額、管理費、修繕積立金、固定資産税などを含めて試算してください。
マンション市場は、価格が一方向に上がる局面から、条件の良い物件と割高な物件が選別される局面へ移りつつあります。購入時は平均価格や売出し価格に惑わされず、個別物件の実需と資産性を確認することが重要です。
- ・市場全体の暴落より、割高な売出し価格の修正が起こりやすい
- ・新築や未入居転売物件では値引きや価格改定に注意する
- ・売出し価格ではなく実際の成約価格を確認する
- ・立地、管理、間取り、売却件数を物件ごとに見る
- ・金利と維持費を含めた総負担で購入を判断する
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