【建売住宅】パワービルダーの建売住宅を購入する時のメリットとデメリットを解説
【建売住宅】パワービルダーの新築建売住宅を購入時のデメリットを解説
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第446-2回目 (2023年2月16日放送分 後半)となります。
今回の話題
【建売住宅】パワービルダーの新築建売住宅を購入時のデメリットを解説
後半のテーマ:『建売住宅のメリットとデメリット』
FM鴻巣フラワーラジオ
不動産せんせい田中の『教えて!不動産の知恵袋』
皆さま、こんにちは。
番組MCのフジコで御座います。
田中先生。
番組後半も引き続き宜しくお願い致します。
後半は、どんなお話を頂けるのでしょうか?
後半は
『建売住宅のメリットとデメリット』
についてお話しようかと思います。
これから建売住宅の購入を検討している人にとって、役立つお話ですね。
お願いします。
『建売住宅』とは何か↓
建売住宅の見極め方~ 高い物件と安い物件の違い / 分譲会社で異なる品質の差
建売住宅を大量生産する『パワービルダー』
それでは、『建売住宅のメリットとデメリット』についてお話していきますね。
建売住宅と言っても色々種類があります。
今回は、日本で最も多く分譲されている
- ・飯田グループホールディングス
- ・ケイアイスター不動産
- ・オープンハウス
ローコストの建売住宅を大量生産する、いわゆる『パワービルダー』をメインにお話させて頂きます。
パワービルダーに関する記事はこちら↓
【建売住宅】メーカー9社を比較~断熱等級 耐震等級 住宅ローン控除 こどもエコすまい給付金~
【パワービルダー各社の特徴】飯田グループ・ケイアイスター・ホークワンなど10社を解説
メリット/デメリットの一覧
私の方で、建売住宅のメリットとデメリットを箇条書きにしましたので、最初にご覧ください。
■建売住宅のメリット
建売住宅を購入するメリット
- ① 価格が安い
- ② 住宅ローンが組みやすい
- ③ 完成時の形状を確認して購入できる
- ④ 完成物件なら契約して1ヶ月後には引渡しされる
新築を購入するという点では、分かり易くて良いですよね。
そうですよね。
分かり易くて良いですよね。
■建売住宅のデメリット
建売住宅を購入するデメリット
- ① 建物仕様の変更が出来ないことが多く融通が利かない。
- ② 契約するまでは物件を止めないので先を越されることがある。
- ③ 完成物件は、契約してから引渡しまでの期間が短い。
- ④ 建物の品質にバラつきがありアタリとハズレの物件が存在する。
なるほど。
わかる気がします。
建売住宅のメリットを順に解説
それではメリットの方から、ひとつひとつ解説いたします。
■メリット① 価格が安い
これは、建売住宅を購入する上で最も重要なメリットだと思います。
この価格が安いというメリットがなければ、誰も建売住宅を買わないと思います。
そうですよね。
これが一番のメリットですよね。
なんでパワービルダーの建売住宅は安いのですか?
それは
『建材を大量仕入れして大量生産しているから。』
という理由につきます。
2021年のデータになりますが、パワービルダー最大手の飯田グループホールディングスでは、グループ全体で、年間に4万6千棟も新築住宅を分譲しています。
出典:【リーブルガーデン】一建設 – 飯田グループホールディングスの強み
そのため建材を安く仕入れることができます。
コロナ禍以降、住宅の建築価格は大幅に上昇しています。
一般的なローコストな注文住宅で、延床面積30坪くらいの4LDKを建築した場合
- コロナ前:1,600万円くらい
- 現在:木材不足と半導体不足により建築費が高騰して2,000万円を切ることが出来ない
しかし、
パワービルダーは、スケールメリットを活かして1,200万円~1,300万円くらいの原価で建築しています。
そのため、パワービルダー系の建売住宅であれば、3,200万円くらいで購入できることになります。
これって、凄く安いと思いませんか?
800万円も安く買えるというのは、凄いメリットですね。
そうですね。
建売住宅を購入するというのは、
『パワービルダーのスケールメリットの恩恵を受ける。』
という事ですね。
■メリット② 住宅ローンを組みやすい
次のメリットは、住宅ローンを組みやすいという点です。
注文住宅では、先行して土地を購入しなければなりませんので、最初に土地だけのローンを組む必要があります。
しかし、基本的に金融機関は土地だけでは、住宅ローンを融資してくれません。
そのため、土地を購入する時には、ハウスメーカーとの建築請負契約書も必要になり、つなぎ融資などで対応する必要があります。
このような融資は、ネット銀行では対応してもらい難い傾向にあります。
しかし、建売住宅では、土地と建物のセットで価格はいくらです。と明確で分かり易いので、住宅ローンが組みやすい傾向にあります。
また、飯田グループ系では、みずほ銀行やイオン銀行などの住宅ローンと提携しているので、最優遇金利を受けやすいというメリットもあります。
みずほ銀行とイオン銀行の住宅ローン審査基準
みずほ銀行の住宅ローン審査基準
イオン銀行の住宅ローン審査基準
【 金融機関の目次 】~各金融機関の住宅ローン審査基準
多くの人が住宅ローンを組んで家を買うので、この点は重要ですよね。
■メリット③ 完成時の形状を確認して購入できる
次のメリットは、完成時の形状を確認して購入できるという点です。
これは、購入した後に、「思っていた形状と違った!」というトラブルを避けることが出来るので、建売住宅の良い点と言えます。
実際の建物を確認してから契約を決められる。
これは大切な事ですね。
■メリット④ 契約後約1カ月程度で引渡しを受けられる
次のメリットは、完成している物件なら、契約後約1カ月程度で速やかに引渡しを受けられるという点です。
例えば、2月に契約したら、3月にはお引渡しされます。
すぐに新居での生活をスタートする事ができます。
建売住宅メリットのまとめ
建売住宅のメリットをまとめますと・・・
- ・安く購入出来て
- ・住宅ローンが組みやすく
- ・完成時の形状を確認できて
- ・すぐに引渡しされる
なるほど。
建売住宅のデメリットを順に解説
■デメリット① 間取りや設備仕様の変更が出来ない
それでは、逆にデメリットについて教えてください。
まず、間取りや設備仕様の変更が出来ないことが多いです。
建売住宅ですから、そうですよね。
でも、これから建築をするという『未完成』の物件なら、変更できるのではないですか?
パワービルダー系では、未完成の段階でも変更が出来ないんですよ。
パワービルダーの建売住宅は、スケールメリットを活かしてコスト削減していますので、未完成段階であっても基本的に仕様変更が出来ません。
そうなんですね。
パワービルダーで変更をお願いするというのは、
ユニクロに行って「追加料金を支払うから、洋服のデザインを変更して欲しい。」
とお願いしているようなものですね?
それに近いかもしれませんね。
間取りや建物仕様を変更するというのは、材料費などの実費以外にも、そのための打ち合わせや手配で時間と手間がかかる事になります。
これはスケールメリットを活かすというパワービルダーのビジネスモデルから外れてしまいます。
そのため、そのような変更工事は殆ど受け付けてもらえません。
ユーザーによっては、融通が利かないと感じるかもしれません。
確かにその通りですね。
■デメリット② 契約をするまでは物件を売り止めにしない
■デメリット③ 契約してから引渡しまでの期間が非常に短い
次は、契約をするまでは物件を売り止めにしないという点と、完成物件は契約してから引渡しまでの期間が短いという点です。
パワービルダーは、ユーザーが買付証明書(購入申込)を提出しても、基本的に物件を止めてくれません。
また、メリットでもあり、デメリットでもあるのですが
契約してからお引渡しまでの期間は、基本的に1ヵ月と非常にスケジュールがタイトです。
これは、契約したら出来るだけ早く資金回収をして、その資金を次の現場に回したいという考えからです。
このように資金を次々に回して、投資効率を上げて、コスト削減に繋げています。
まさに、タイムイズマネーなんですね。
そうなんです。
余談ですが、建築中であっても、電気を使いますので基本料金がかかります。
飯田グループ系の新築現場は、基本料金を節約するために、15A(アンペア)とかで低い電力で契約しているんですよ。
ちょっと調べてみたんですけど、15Aと40Aだと基本料金で約700円変わってくるので、年間4万6千棟だと、年間で3,200万円以上も差がでます。
これはチリツモですよね。
あらゆる面でコスト削減して、物件価格を下げているのですね。
■デメリット④ 建物の品質にバラつきがある
最後のデメリットは、パワービルダー系の建売住宅に限ったことではありませんが、建物の品質には、アタリとハズレが存在するということです。
年間数千棟、数万棟もの建売住宅を新築するということは、材料だけでなく、相応の職人と現場監督が必要になります。
しかし、近年は人材不足により、職人と現場監督が足りていません。
延床面積30坪くらいまでの新築現場であれば、木工事は一人の大工さんが担当します。
電気工事や水道設備工事など専門業者が担当しますが、床や壁などを造る木工事に関しては、基本的に大工さんは一人で行うのです。
同じハウスメーカーで同じ現場の家であっても・・・
- 1号棟:佐藤さんという大工さんが担当
- 2号棟:鈴木さんという大工さんが担当
- 3号棟:田中さんという大工さんが担当
各号棟で、それぞれの大工さんが担当して工事します。
みんながみんな経験豊富で腕の良い大工さんであれば良いのですが、当然、中には、モラルに欠けた雑な大工さんも存在します。
1号棟と2号棟は、丁寧で上手な大工さんで、品質の良いアタリの物件だけど、
3号棟だけ雑な大工さんが担当したハズレの物件
ということもあるということです。
普段から住宅診断を実施している当社から見ると、これは、建売住宅に限ったことではなく、注文住宅でもあり得ることです。
これは、大量生産しているハウスメーカーでは、発生しやすいデメリットですので注意が必要です。
人材不足が深刻な状況に関する記事はこちら↓
人材不足が深刻で雑な仕上げの住宅が増加傾向~ 1人の職人が2つの現場を同時に担当 ~
建売住宅デメリットのまとめ
建物住宅のデメリットをまとめますと・・・
- ・建物の仕様変更が出来なく融通が利かない面がある。
- ・タイムイズマネーという感覚のビジネスモデルなので融通が利かない面がある。
これらが許容できないという人であれば、『土地を購入して注文住宅を建てる。』という道を選択した方が良いかと思います。
逆に、今回ご紹介したデメリットを許容できるという人は、パワービルダーのスケールメリットの恩恵を受けて、安く新築一戸建てを手に入れることが出来ます。
建売住宅か注文住宅か?それぞれの向いている人↓
建売住宅か注文住宅か?~それぞれメリット/デメリットを解説~
まとめ:メリット/デメリットを理解して見極める
ただし、建売住宅に限らず、新築の品質にはアタリとハズレが存在します。
ご契約する前には、必ず専門家による住宅診断を受けて、ハズレの物件を選ばないように見極める事が大切です。
住宅購入は、損得だけでなく、購入後の満足度も、今後の人生においての幸福度に関わってきます。
建売住宅のメリットデメリットを理解しておけば、購入後に後悔せず、きっと満足した住宅購入を実現できるでしょう。
本日は以上となります。
家のアタリとハズレを見極める為の記事はこちら↓
【建売住宅】新築を内覧する時のチェックポイント集~家のアタリとハズレを見極める~
田中先生。
今回もありがとうございました!
次回も、不動産せんせい田中の『教えて!不動産の知恵袋』をお楽しみに~!
【建売住宅】パワービルダーの建売住宅を購入する時のメリットとデメリットを解説
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