【建売住宅】新築を内覧する時のチェックポイント集
~家のアタリとハズレを見極める~

【建売住宅】新築を内覧する時のチェックポイント集
家のアタリとハズレを見極める

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第433-2回目 (2022年11月17日放送分 後半)となります。

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【建売住宅】新築を内覧する時のチェックポイント集
家のアタリとハズレを見極める

以下は、動画の内容に関連した情報です。
より詳しく知りたい方は、是非動画をご覧ください。



1棟1棟の品質を見極めて判断する必要がある

サムネイル-MCサッシー
サッシー

田中先生!
後半は、どんなお話を頂けるのでしょうか?

サムネイル-田中
田中

後半は、住宅診断をする立場から
『欠陥住宅を掴まないための、新築建売住宅内覧時のチェックポイント』について
お話させていただきます。

サムネイル-MCサッシー
サッシー

住宅診断のプロの目線!
いいですね。

それでは、田中先生!
お願いします。

木工事は基本的に1人の大工さんが担当

サムネイル-田中
田中

承知しました!

まずは、皆様に知っておいて頂きたい事なのですが、延床面積30坪前後の新築一戸建は、基本的に1人の大工さんが木工事を担当して建築します。

当然、設備屋さん、電気屋さん、屋根屋さんなどの専門業者は入りますが、床、壁、階段、ドアなどの建具の工事は、基本的に1人の大工さんが施工します。

同じハウスメーカーの現場であっても、5棟現場の建売住宅であれば、各号棟で大工さんが異なります。
そのため、例えば、
1号棟は、腕の良い大工さんでアタリの建物。
隣の2号棟は、モラルに欠けた雑な大工でハズレの建物。
と、いうような場合があります。

要するに、新築一戸建ては、建売住宅に限らず、注文住宅であっても、品質にバラつきがあります。
ですので、一概に会社名だけで判断するのではなく、1棟1棟の品質を見極めて判断する必要があるという事です。

建売住宅にアタリとハズレがある理由についてはこちらです↓

人材不足が深刻で雑な仕上げの住宅が増加傾向~ 1人の職人が2つの現場を同時に担当 ~

サムネイル-MCサッシー
サッシー

なるほど。
具体的には、何をどのように見ればいいのですか?


内覧時の具体的なチェックポイント

玄関のチェックポイント

サムネイル-田中
田中

まずは、内覧時に誰でもできる『玄関のチェックポイント』からご説明します。

玄関収納(下駄箱) -チェックポイント-
サムネイル-田中
田中

これは、玄関収納(下駄箱)の写真です。

玄関収納-下駄箱

玄関収納-下駄箱

サムネイル-MCサッシー
サッシー

ミラー付きで素敵な下駄箱ですが・・・。
これの何が問題なのですか?

サムネイル-田中
田中

これは、扉の建付調整が不完全な下駄箱です。
以下の写真をご覧ください。

建付が不完全な下駄箱

建付が不完全な下駄箱

扉と扉の隙間が広すぎます。
また、右側の扉の上部が枠に擦ってしまっている状態です。

サムネイル-MCサッシー
サッシー

確かに、よく見ると左右が不均等ですね。
住宅診断では、こんな細かい部分まで診るのですか!?

サムネイル-田中
田中

はい。
診ています。

ただ、建付調整が不完全だからと言って、欠陥住宅という訳ではありません。

しかし、このように基本的な建付調整が出来ていない物件は、建築時の現場監理が行き届いていないため、他にも不具合が隠れている可能性があるということです。

上がり框 -チェックポイント-
サムネイル-田中
田中

もう一つ、玄関でのチェックポイントは、『上がり框』です。
以下の写真をご覧ください。

上がり框

玄関収納-下駄箱

玄関では、靴を脱いで床に上がりますが、フローリングと玄関の間にある部分のことを『上がり框』といいます。

上がり框-チェックポイント

上がり框-チェックポイント

新築一戸建てを内覧する時には、上がり框の壁よりの部分をチェックしてみてください。
ここを見ると、丁寧な大工さんか、雑な大工さんかを見極める目安になります。

サムネイル-田中
田中

これは、丁寧な大工さんの納まりです。

上がり框-丁寧な仕上がり

上がり框-丁寧な仕上がり

繋ぎ目が分からないくらい綺麗に仕上げられています。

サムネイル-田中
田中

次に、雑な大工さんの納まりです。

上がり框-雑な仕上がり

上がり框-雑な仕上がり

分かりますでしょうか?
繋ぎ目の隙間が目立つ納まりです。

サムネイル-MCサッシー
サッシー

スキマも目立ちますが、キズもありますね。

サムネイル-田中
田中

次も雑な施工例です。

上がり框-雑な仕上がり-2

上がり框-雑な仕上がり-2

最初の丁寧な大工さんの写真と比べると、全然違いますよね。

サムネイル-MCサッシー
サッシー

確かに、全然違いますね。

スキマの中に何か木クズのようなものが詰まっていますね。
これは、売主に言えば直してもらえるのですか?

サムネイル-田中
田中

残念ながら、このようなスキマは、大工さんの納め方の特徴であって欠陥ではありません。
そのため、これを売主に指摘しても、是正してもらえるものではありません。

このようなスキマもひっくるめて、理解して購入する必要があります。

サムネイル-MCサッシー
サッシー

そうなんですか・・・。

サムネイル-田中
田中

そうなんです。

先程の下駄箱の建付調整と同じように、
『この上がり框の納まりが雑な大工さんは、他の部分も雑で不具合が多い物件である可能性が高い。』
と、私どもは長年の経験から知っています。
ですので、玄関に入ったら最初に確認します。

誰でも簡単に出来るチェックポイントですので、皆様も内覧する時には、まずは上がり框をチェックしてみてください。

上がり框の仕上げに関する記事はこちら↓

玄関の上がり框の仕上げ方から建売住宅のアタリとハズレを見分ける

雑な仕上げによる不具合の例

サムネイル-MCサッシー
サッシー

ここが雑な場合は、『他の部分』も雑で不具合が多いとのことですが、『他の部分』とは具体的には、どのような部分なのでしょうか?

サムネイル-田中
田中

それでは、たくさん不具合事例をご紹介するために、写真をどんどんご覧いただきますね!

巾木 -チェックポイント-
サムネイル-田中
田中

こちらは、巾木の写真です。
巾木とは、壁と床の境目の帯のような建材のことです。

巾木の継ぎ目

巾木の継ぎ目

巾木の繋ぎ目が雑で綺麗じゃありませんね。

サムネイル-田中
田中

こちらは、巾木を止めている『隠し釘』が飛び出しています。

巾木-釘の飛び出し

巾木-釘の飛び出し

これに触れたら、ケガをするかもしれませんね。

サムネイル-MCサッシー
サッシー

小さいお子さんが居るご家庭だと危険ですね。

フローリング -チェックポイント-
サムネイル-田中
田中

次は、フローリングの施工です。

フローリング-はがれ

フローリング-はがれ

フローリングの施工が雑で角が剥がれて捲れています。

サムネイル-MCサッシー
サッシー

目立ちますね。

サムネイル-田中
田中

こちらもフローリングです。

フローリング-釘の飛び出し

フローリング-釘の飛び出し

裏から釘が飛び出しています。

サムネイル-MCサッシー
サッシー

これは見た目の問題でなく、踏んだら危険じゃないですか!?

窓枠 -チェックポイント-
サムネイル-田中
田中

次は窓枠と壁に微妙なスキマが出来ています。
クロス屋さんが、きれいに壁紙を貼ることができないヘンテコな納まりです。

窓枠-隙間

窓枠-隙間

サムネイル-MCサッシー
サッシー

ほんとだ・・・。

サッシ -チェックポイント-
サムネイル-田中
田中

サッシを固定するためのビスを打ち忘れています。

窓枠-サッシのビス留め忘れ

窓枠-サッシのビス留め忘れ

サムネイル-田中
田中

こちらは、サッシのビスは付いているけど、ちゃんと打たれていない。

窓枠-サッシのビス緩み

窓枠-サッシのビス緩み

サムネイル-MCサッシー
サッシー

あらら。

サムネイル-田中
田中

次は、サッシとフローリングの繋ぎ目部分の変な切れ込み。

フローリング-切れ込み

フローリング-切れ込み

サムネイル-MCサッシー
サッシー

これは酷いですね。

階段の施工 -チェックポイント-
サムネイル-田中
田中

階段の施工が雑・・・。

階段-雑な仕上がり

階段-雑な仕上がり

階段は、冒頭で説明した、上がり框の納まり同様に、大工さんの腕が出やすい部分ですので、内覧時にはよくチェックしてみてください。

サムネイル-MCサッシー
サッシー

そうなんですね。

石膏ボード(壁の下地)の施工 -チェックポイント-
サムネイル-田中
田中

押し入れの中の石膏ボードの施工が雑で隙間が大きい納まり。

押し入れ-石膏ボードの隙間

押し入れ-石膏ボードの隙間

サムネイル-MCサッシー
サッシー

確かに雑ですね。
虫が出てきそうです・・・。

サムネイル-田中
田中

次は、壁の石膏ボードの下地が雑な施工。
この凸凹は写真だとちょっと見えにくいですかね。

石膏ボード-雑な仕上がり

石膏ボード-雑な仕上がり

サムネイル-MCサッシー
サッシー

でも分かりますよ。

サムネイル-田中
田中

下地の固定が不完全で、新築なのにクロスが割れてしまっています。

壁紙-破れ

壁紙の破れ

サムネイル-MCサッシー
サッシー

これも酷いですね。

サムネイル-田中
田中

そうですよね。
ただ、このような不具合は、内覧時に少し注意深くみれば、誰でもチェックできます。

サムネイル-MCサッシー
サッシー

こうやって写真で説明してもらうと分かりやすいし、新築でも不具合は多いのですね。

サムネイル-田中
田中

もし、内覧時に、このような不具合を発見した場合は、専門家に住宅診断をしてもらってから、契約することをお奨めします。


隠れた部分に不具合がある可能性

サムネイル-田中
田中

このような表面上の施工が雑な新築は、『隠れた部分の不具合』として、欠陥がある可能性が高いです。

サムネイル-MCサッシー
サッシー

『隠れた部分の不具合』というのは具体的にどのようなものですか?

隠れた部分の不具合例

サムネイル-田中
田中

ではここからは、住宅診断の専門家でなければ発見しにくい欠陥、『隠れた部分の不具合』を続けてご紹介していきますね。

サムネイル-MCサッシー
サッシー

お願いします。

床下の断熱材 -チェックポイント-
サムネイル-田中
田中

まずは、床下の断熱材が施工不良です。

床下-断熱材の落下1

床下-断熱材の落下1

断熱材の固定が甘く、重力に負けて落ちています。

床下-断熱材の落下2

床下-断熱材の落下2

サムネイル-MCサッシー
サッシー

ほんとだ・・・。

床下の通気不良 -チェックポイント-
サムネイル-田中
田中

床下が、通気不良などで結露しています。

床下-結露

床下-結露

含水率を計測すると湿気があることが分かります。
含水率は、通常15%前後です。

床下-含水率測定

床下-含水率の測定

サムネイル-MCサッシー
サッシー

コンクリートが濡れていますね。

床下や基礎の欠陥に関する記事はこちらです↓

基礎コンクリートと床下で発見した欠陥 ~欠陥住宅の実例

壁の中の断熱材の施工不良 -チェックポイント-
サムネイル-田中
田中

壁の中の断熱材の施工不良です。
断熱材に変な切れ込みが入って割れています。

断熱材-割れ

断熱材の割れ

壁を貼ってしまったら、赤外線サーモグラフィーを使わなければ分かりません。

赤外線サーモグラフィーで調査

赤外線サーモグラフィーで調査

計測器での調査についてはこちら↓

新築一戸建にはアタリとハズレがあるー 欠陥住宅の見極め方

天井裏の施工不良 -チェックポイント-
サムネイル-田中
田中

天井裏の断熱材施工不良や防火違反です。
これは、小屋裏(屋根裏)の写真です。

小屋裏断熱材の施工不良

小屋裏断熱材の施工不良

近年の新築は、建売住宅であっても、

  • ・断熱等級5
  • ・一次エネルギー消費量等級6
  • ・耐震等級3
などを取得している物件が増えてきました。

しかし、数値上、高性能を謳っていても、施工している職人や現場監督がいい加減だと、実際は、等級の性能を満たしていない欠陥住宅であることも珍しくありません。

サムネイル-MCサッシー
サッシー

それは怖いですね。

天井裏の防火違反に関する記事はこちらです↓

【欠陥住宅の実例】小屋裏や天井裏に隠れた欠陥『防火違反』


内覧時のチェックポイントを抑えて自己防衛

サムネイル-田中
田中

住宅購入は、一生で最も高価な買い物のひとつです。

しっかり、自己防衛のためにも、内覧時のチェックポイントなどをしっかり勉強して、出来れば専門家の住宅診断を実施してから、ご購入することをお奨めいたします。

サムネイル-MCサッシー
サッシー

それは大切ですね。

田中先生、今回もありがとう御座いました。


今回の動画の関連記事

隠れた欠陥に関する記事はこちらです↓

欠陥住宅あるある耐震等級・断熱等級が不足している建売住宅の実例

内覧時のセルフチェックポイントについて詳しく知りたい↓

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