【私道】買ってはいけない私道ランキング|私道物件の注意点・見分け方と住宅ローンへの影響

私道物件は、「私道だから」という理由だけで避ける必要はありません。
重要なのは、建築基準法上の道路区分、私道の所有形態、持分・部分所有の有無、通行掘削承諾書の内容を確認し、再建築・住宅ローン・将来の売却に支障がないかを判断することです。

【ヤバい私道】買うべきでない私道ランキング|安い私道物件には理由がある!

この記事のポイント

私道には、建築基準法上の道路として扱われるものから、建築時に個別の認定・許可が必要なものまであります。さらに、私道の共有持分や部分所有の有無、通行掘削承諾書の有無によって、住宅ローンや建て替え、将来の売却のしやすさが変わることがあります。

この記事では、私道物件を10段階で整理し、「基本的に検討しやすい私道」「条件付きで検討できる私道」「購入を慎重に判断したい私道」に分けて解説します。特に、建築基準法43条2項2号の許可が必要な敷地や、再建築できない可能性がある法外道路は、契約前の確認が重要です。

※道路の扱い、建築基準法43条2項の認定・許可基準、住宅ローンの審査条件は、自治体や金融機関、個別物件によって異なります。購入前に行政窓口、法務局、金融機関などで個別に確認してください。


買ってはいけない私道ランキングを一覧で確認

買ってはいけない私道ランキングの一覧

このランキングでは、10位に近いほど検討しやすく、1位に近いほど購入時のリスクが高い私道として整理しています。

判断材料は、私道の種類だけではありません。建築基準法上の道路として扱われるか、共有型か分筆型か、私道の所有権があるか、通行掘削承諾書があるかを組み合わせて確認します。

私道ランキング10位~1位

私道ランキング比較表 買ってはいけない私道ランキング

ここでいう「42条私道」は、開発道路、位置指定道路、その他の建築基準法42条に該当する私道をまとめた表現です。また、「43条2項2号」は旧法で「43条ただし書」と呼ばれていた制度です。

この順位は、法律上の公式な格付けではなく、再建築、私道の権利関係、住宅ローン、将来の流通性などを考慮した購入判断の目安です。


  • ・私道は種類だけでなく、所有権と承諾書を組み合わせて判断する
  • ・10位~7位は比較的検討しやすく、6位以下は確認事項が増える
  • ・最も注意したいのは、再建築できない法外道路に接する物件

私道物件を判断する4つのポイント

私道の道路種別と所有形態、所有権、通行掘削承諾書を確認するポイント

私道物件を判断するときは、「道路種別」「共有型・分筆型」「所有権」「通行掘削承諾書」の4点を確認します。

42条道路か、43条2項の認定・許可が必要な道か

開発道路、位置指定道路、その他の建築基準法42条に該当する私道は、建築基準法上の「道路」として扱われます。接道条件など他の建築条件も満たしていれば、原則として建て替えを検討できます。

一方、建築基準法43条2項2号は、42条道路に接していない敷地について、一定の要件を満たし、建築審査会の同意を得たうえで特定行政庁の許可を受けることで建築を認める制度です。許可基準は自治体によって異なり、過去に建物が建っていたからといって、将来も必ず同じ条件で建て替えられるとは限りません。

参考:e-Gov法令検索 – 建築基準法

参考:横浜市 – 建築基準法第43条第2項の許可・認定

共有型と分筆型では所有の仕方が違う

私道の所有形態には、私道全体を複数人で共有する「共有型」と、私道を区画ごとに分筆して各所有者が一部分を所有する「分筆型」があります。

共有型で共有持分を持つケースは権利関係が比較的整理されていることが多く、分筆型では自分が所有していない部分を通行・掘削する場面も考慮する必要があります。そのため、分筆型では通行掘削承諾書の有無がより重要になります。

通行掘削承諾書は内容まで確認する

通行掘削承諾書がある場合は、単に「承諾書あり」で終わらせず、少なくとも、人や車両の通行、給排水管などの工事に必要な掘削、所有者が変わる場合に承諾内容を次の所有者へ承継させる旨が記載されているか確認します。

2023年4月施行の改正民法では、一定の条件を満たす場合、電気・ガス・水道・通信などのライフラインを引き込むために必要な範囲で、他人の土地への設備設置や他人の設備の使用ができることが明文化されました。ただし、事前通知や損害の少ない方法の選択、場合によっては償金などのルールがあります。

参考:法務省 – 所有者不明土地の解消に向けた民事基本法制の見直し

参考:法務省 – 所有者不明私道への対応ガイドライン(第2版)


  • ・42条道路か、43条2項の認定・許可が必要な道かを確認する
  • ・共有型か分筆型かによって、所有権の持ち方が異なる
  • ・承諾書は通行・掘削・承継条項の内容まで確認する

10位~7位|基本的に検討しやすい私道

共有持分や部分所有がある42条私道の比較

10位~7位は、いずれも建築基準法42条に該当する私道で、私道について共有持分または部分所有の権利を持っているケースです。

10位・9位は共有型で共有持分がある

10位は、42条私道の共有持分があり、さらに通行掘削承諾書もあるケースです。道路としての扱いと私道の所有権、承諾書がそろっているため、今回のランキングでは最も検討しやすい私道としています。

9位は共有持分はあるものの、通行掘削承諾書がないケースです。共有持分がある私道では、承諾書がなくても比較的問題になりにくいケースが多いため、10位と同じ5つ星としています。ただし、工事内容や共有関係によって必要な調整は異なります。

8位・7位は分筆型で部分所有がある

8位は分筆型の42条私道で、自分の所有部分があり、通行掘削承諾書もあるケースです。7位は同じ分筆型でも承諾書がないケースで、4つ星としています。

分筆型では、自分が所有していない私道部分を通行したり、給排水管などの工事で掘削したりする可能性があります。そのため、共有型と比べると、承諾書がある方が権利関係を確認しやすくなります。


  • ・10位~7位は42条私道で、私道の所有権もある
  • ・共有型+共有持分ありは比較的権利関係を確認しやすい
  • ・分筆型では通行掘削承諾書がある方が判断しやすい

6位~5位|条件付きで検討できる私道

私道の所有権がない場合と43条2項2号の私道を検討するときの注意点

6位と5位は、すぐに購入候補から外す必要はありませんが、承諾書や将来の建て替え条件を契約前に詳しく確認したい私道です。

6位は所有権がなくても承諾書がある42条私道

6位は、42条私道に該当しているものの、私道の所有権を持っていないケースです。ただし、通行掘削承諾書があるため、その内容を確認したうえで購入を検討できるケースとしています。

特に確認したいのは、人や車両の無償通行、給排水管などの工事に伴う掘削、所有者変更時の承諾内容の承継に関する条項です。承諾書の文面が曖昧な場合は、契約前に不動産会社や専門家へ確認してください。

5位は43条2項2号で所有権と承諾書がある

5位は、建築基準法43条2項2号、旧法でいう「43条ただし書」に該当するケースです。42条道路ではありませんが、一定の要件を満たし、建築審査会の同意を得たうえで特定行政庁の許可を受けることで建築できる場合があります。

このような物件では、将来の建て替え時にも、改めて許可を受けられるか確認する必要があります。現在建物が建っていることだけで、将来の再建築が保証されるわけではありません。そのため、私道部分の所有権と通行掘削承諾書の両方があることを、購入判断の重要な条件としています。

また、43条2項の具体的な基準は自治体によって異なります。「幅員4m以上」など一つの条件だけで判断せず、対象物件を管轄する特定行政庁へ確認することが重要です。


  • ・所有権がない場合は、通行掘削承諾書の内容を詳しく確認する
  • ・43条2項2号は42条道路ではなく、個別の許可が必要になる場合がある
  • ・現在建物があることと、将来も再建築できることは同じではない

4位~1位|購入を慎重に判断したい私道

住宅ローンや再建築に注意したい私道ランキング4位から1位

4位以下は、住宅ローンの選択肢、将来の建て替え、売却時の流通性に影響しやすいため、契約前の調査を特に重視したい私道です。

4位は42条私道でも所有権と承諾書がない

4位は、建築基準法42条の道路として扱われる私道に接しているものの、私道の所有権がなく、通行掘削承諾書もないケースです。接道要件の面では建て替えを検討できても、金融機関によっては私道の権利関係を理由に住宅ローンの選択肢が狭くなる可能性があります。

民間銀行で取り扱いが難しい場合でも、フラット35が選択肢になることはあります。ただし、フラット35にも接道、住宅の規模・構造などの技術基準があり、適合証明書の取得や融資審査が必要です。そのため、「フラット35なら確実に利用できる」とは限りません。

参考:フラット35 – 新築住宅の技術基準の概要

3位・2位は43条2項2号で権利関係が弱い

3位は43条2項2号の許可が必要となる敷地で、私道部分の所有権はないものの、通行掘削承諾書があるケースです。逆に、所有権があっても承諾書がない場合も、今回の判断では同程度の注意が必要と考えます。

2位は、43条2項2号の許可が必要となる敷地で、私道の所有権も通行掘削承諾書もないケースです。将来の建築、住宅ローン、売却時の流通性について確認事項が多くなるため、一生に一度のマイホームとしては慎重に判断したい物件です。

1位は再建築できない法外道路

法外道路とは、一般に建築基準法42条の道路に該当しない道を指します。ただし、法外道路に接しているからといって、すべての物件が直ちに再建築不可になるわけではありません。43条2項の認定・許可によって建築できるケースもあります。

今回ワースト1位としているのは、42条道路に接しておらず、さらに43条2項の認定・許可も見込めないため、再建築できないケースです。見た目が道路の形をしていても、建築基準法上の道路として扱われないことがあるため、価格が相場より大幅に安い物件では「接道」の記載を確認してください。


  • ・42条私道でも、所有権と承諾書がない場合は住宅ローンへの影響を確認する
  • ・43条2項2号は将来の再建築許可まで保証される制度ではない
  • ・42条道路に接せず、43条2項の認定・許可も見込めない物件は特に慎重に判断する

私道物件を買う前に確認したいこと

私道物件を購入する前に接道や権利関係を確認するポイント

私道物件は、広告の価格だけで判断せず、契約前に道路種別、所有権、承諾書、住宅ローン、再建築の可否まで確認することが重要です。

不動産広告では「接道」を確認する

周辺相場より安い物件には、道路条件が価格に影響している場合があります。物件概要の「接道」「私道負担」「道路種別」などを確認し、不明な表現があれば問い合わせの段階で確認しましょう。

セットバックは今回のランキングとは別に考える

建築基準法上の道路で幅員が4m未満の場合、原則として道路中心線から2m後退した位置を道路境界線とするセットバックが必要になることがあります。反対側が川や崖などの場合は扱いが異なるため、個別確認が必要です。

セットバックによって敷地として使える面積が減ることはデメリットですが、私道持分がない、承諾書がない、再建築できないといった問題とは性質が異なります。そのため、今回のランキングでは別の論点として扱っています。

契約前に市役所・法務局・金融機関で確認する

私道の種類は行政窓口、所有者や持分は登記事項証明書・公図などで確認できます。通行掘削承諾書がある場合は文面を確認し、住宅ローンを利用する場合は金融機関にも私道の権利関係を事前に伝えてください。

特に43条2項の認定・許可が必要な物件や法外道路に接する物件では、「今建っているから大丈夫」と判断せず、将来の建て替えまで見据えて調査することが大切です。

まとめ:私道は「種類+権利+承諾書」で判断する

私道物件の価格が公道物件より安い場合、その理由を確認したうえで、リスクと価格差が見合うかを判断します。条件が整理された私道であれば購入候補になりますが、再建築や融資に大きな制約がある物件は、安さだけで選ばないことが重要です。


  • ・物件概要では「接道」「私道負担」「道路種別」を確認する
  • ・市役所と法務局で、道路区分と所有関係を契約前に調査する
  • ・43条2項や法外道路は、将来の再建築まで確認して判断する
  • ・私道だから一律に避けるのではなく、条件と価格のバランスを見る