【建売住宅】新築建売住宅にもある告知事項ありとは?心理的瑕疵物件の定義と確認ポイント
新築建売住宅であっても、土地や過去の建物、周辺で起きた出来事によって「告知事項あり」「心理的瑕疵あり」とされる場合があります。
価格だけで判断せず、何が告知事項なのかを確認してから購入を検討することが重要です。
新築建売住宅にもある?告知事項あり・心理的瑕疵物件の定義とは
この記事のポイント
この記事では、新築建売住宅にも存在する「告知事項あり」「心理的瑕疵あり」物件について解説します。事故物件と呼ばれる物件の基本的な考え方、告知義務が必要になるケース、自然死や不慮の事故との違い、賃貸と売買で異なる告知期間の考え方、購入前に確認すべきポイントを整理します。
※記事はYouTube動画収録用の原稿をもとに要約しています。
そのため、公開後のYouTube動画と内容が異なる部分がございます。
- 執筆者:田中 勲
(宅建士、ホームインスペクター、FP) - YouTube – 田中勲の『不動産の知恵袋』
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新築建売住宅にもある「告知事項あり」とは?
「告知事項あり」とは、購入者や借主の判断に影響する可能性がある事情を、事前に知らせる必要がある物件を指します。中古住宅や賃貸だけでなく、新築建売住宅でも該当する場合があります。
建物が新築でも土地や周辺事情は残る
物件を探していると、広告図面や販売資料に小さく「告知事項あり」「心理的瑕疵あり」と記載されていることがあります。一般的には中古住宅や賃貸物件で見かける印象が強いですが、新築建売住宅でも、このような記載がされることがあります。
理由は、建物そのものが新築であっても、土地の過去や周辺で起きた出来事まで新しくなるわけではないからです。新築一戸建てだから安心と決めつけず、価格が安い場合や気になる記載がある場合は、その理由を確認することが重要です。
- ・告知事項ありは中古物件だけの話ではない
- ・新築建売住宅でも、土地や周辺で起きた事情が告知対象になることがある
- ・安い物件を見つけたときは、価格の理由を確認することが重要
新築一戸建てで告知事項ありになる具体例
新築一戸建てであっても、分譲前の建物や土地、目の前の道路などで起きた出来事が、購入判断に影響する事情として説明されることがあります。
建て替えられていても告知対象になることがある
実際の例として、分譲される前に建っていた家で前の所有者が自ら命を絶たれた物件、分譲住宅が建っている目の前の道路で事件により人が亡くなった物件、分譲前の家の庭に地主のお墓があった物件などがあります。
このようなケースでは、現在の建物が新築であっても、購入者が心理的な抵抗を感じる可能性がある事情として、販売図面などに「告知事項あり」と記載される場合があります。
物件そのものだけでなく周辺事情も確認する
心理的瑕疵というと、建物の室内だけで起きた出来事を想像しがちです。しかし、実務上は土地の過去や近接する場所で起きた出来事が、購入判断に影響する事情として扱われることもあります。
特に新築建売住宅では、建物の見た目だけでは過去の事情が分かりません。広告図面、重要事項説明書、告知書などを確認し、不明点があれば契約前に質問する必要があります。
- ・新築だから心理的瑕疵がないとは限らない
- ・土地の過去や周辺で起きた出来事も確認対象になる
- ・広告図面の小さな「告知事項あり」を見落とさない
事故物件を買いたい人はどのくらいいるのか?
事故物件を購入できるかどうかは人によって大きく分かれますが、今回のアンケートでは、価格に関係なく買いたくない人が6割以上という結果でした。
価格が安くても心理的抵抗は大きい
このチャンネルで「事故物件は買いたい、または借りたいですか?」というアンケートを行ったところ、以下のような結果になりました。
| 回答 | 割合 |
|---|---|
| 気にせず買う | 7% |
| 相場より2~3割安ければ買いたい・借りたい | 9% |
| 相場より5割以上安ければ買いたい・借りたい | 22% |
| 価格に関係なく買いたくない・借りたくない | 62% |
相場より安ければ検討するという人もいますが、価格に関係なく避けたいという人が62%を占めています。つまり、事故物件や心理的瑕疵物件は、金額だけで判断できるものではなく、本人や家族が心理的に納得できるかどうかが大きな判断材料になります。
- ・価格に関係なく避けたい人が62%
- ・大幅に安ければ検討する人も一定数いる
- ・事故物件の判断は金額だけでなく心理的抵抗も大きい
心理的瑕疵と告知義務の基本
心理的瑕疵とは、物件そのものに物理的な欠陥がなくても、過去の事件や事故などにより、住む人が心理的な抵抗を感じる事情を指します。
2021年に国交省ガイドラインが示された
不動産取引において「心理的瑕疵」とは、過去の事件や事故などによって、購入者や借主が心理的な嫌悪感や抵抗を抱く可能性がある事情を指します。心理的瑕疵がある場合、売主や不動産業者は、その事実を事前に伝えなければならない告知義務を負うことがあります。
以前は、どこまで伝えるべきかについて明確な基準がなく、業界内でも判断が分かれることがありました。しかし、2021年10月に国土交通省が「宅地建物取引業者による人の死の告知に関するガイドライン」を策定したことで、人の死に関する告知の考え方が整理されました。
出典:国土交通省 – 宅地建物取引業者による人の死の告知に関するガイドライン
- ・心理的瑕疵は、購入者や借主の判断に影響する事情
- ・一定の場合、売主や不動産業者には告知義務がある
- ・現在は国交省ガイドラインが判断基準の一つになっている
告知義務が必要になるケース
事件性のある死亡、自ら命を絶たれたケース、発見が遅れて特殊清掃が必要になったケースなどは、原則として告知が必要になる可能性があります。
特殊清掃が必要になったかどうかも重要
告知義務が必要になる代表的なケースとしては、事件によって人が亡くなった場合、自ら命を絶たれた場合、病気や不慮の事故で亡くなった場合でも発見が遅れて特殊清掃が必要になった場合などがあります。
ここで重要なのは、事件性の有無だけでなく、発見までの時間や特殊清掃の有無も判断材料になるという点です。自然死や不慮の事故であっても、発見が遅れて室内に大きな影響が生じた場合には、告知対象になる可能性があります。
通常使用する共用部分も対象になる場合がある
マンションなどでは、室内だけでなく、通常使用する共用部分で発生した出来事も問題になる場合があります。たとえば、入居者が日常的に利用する共用部分で、人の死に関する重大な事案が発生した場合には、購入者や借主の判断に影響する可能性があります。
一方で、通常使用しない共用部分や、別の階の廊下などで発生した事案については、原則として告知不要とされる場合もあります。ただし、社会的影響が大きい事件などは、個別事情によって判断が変わります。
- ・事件性のある死亡は告知対象になりやすい
- ・自ら命を絶たれたケースも告知対象になる
- ・自然死や事故死でも、発見の遅れや特殊清掃があると扱いが変わる
告知しなくてもよいとされるケース
老衰や病気による自然死、転倒や誤嚥、入浴中の事故など日常生活上の不慮の死は、原則として告知義務の対象外とされる場合があります。
自然死や日常生活上の不慮の事故は扱いが異なる
国土交通省のガイドラインでは、老衰や病気による自然死、日常生活の中で起こる転倒、誤嚥、入浴中の事故などについては、原則として告知しなくてもよいと整理されています。人が住宅の中で亡くなること自体は、社会生活の中で通常起こり得るものと考えられているためです。
ただし、自然死や不慮の事故であっても、発見が遅れて腐敗が進み、特殊清掃が必要になった場合などは別です。この場合は、購入者や借主の判断に影響する可能性があるため、告知対象になることがあります。
「自然死なら必ず告知不要」とは限らない
告知義務の判断では、亡くなり方だけでなく、発見までの期間、室内の状態、特殊清掃の有無、近隣への影響、報道の有無なども関係します。
そのため、「自然死なら必ず告知不要」「事故死なら必ず告知義務あり」と単純に分けるのは危険です。個別の事情によって判断が変わるため、不安がある場合は不動産会社に確認し、必要に応じて専門家へ相談することが大切です。
- ・自然死や日常生活上の不慮の事故は、原則として告知不要とされる場合がある
- ・特殊清掃が必要になった場合は告知対象になり得る
- ・個別事情によって判断が変わるため、断定は避ける
賃貸と売買で異なる告知義務の考え方
賃貸では一定の事案について概ね3年が一つの目安になりますが、売買では年数だけで単純に告知義務が消えるとは考えない方が安全です。
「一度誰かが住めば告知不要」は正確ではない
事故物件については、「一度誰かが借りて住めば告知しなくてもよい」「5年経てば時効になる」といった話を聞くことがあります。しかし、現在の考え方では、このように単純には判断できません。
賃貸の場合、事件性のある死亡、自ら命を絶たれたケース、特殊清掃が必要になったケースなどでも、事案発生から概ね3年、特殊清掃等が行われた場合は事案の発覚から概ね3年が経過した後は、原則として告知不要とされる場合があります。ただし、これはあくまでも一つの目安です。
売買では年数だけで判断しない
売買物件の場合は、賃貸とは異なり、何年経てば必ず告知義務がなくなるという単純な考え方は避けるべきです。分譲マンションや一戸建ての購入は、賃貸よりも買主の判断への影響が大きいため、過去の事情が重要な判断材料になることがあります。
また、賃貸で概ね3年が経過している場合でも、近隣で有名な事件、ニュースで報道された事件、社会的影響が大きい事案などは、期間を問わず告知が必要になる可能性があります。
- ・賃貸は概ね3年が一つの目安
- ・売買は年数だけで告知義務が消えるとは限らない
- ・聞かれた場合に事実を隠すことはできない
購入前に必ず確認すべきこと
物件を購入する前には、「過去に人の死に関する告知事項はありますか」「心理的瑕疵や告知事項に該当する事情はありませんか」と確認することが重要です。
聞かれたら知っている事実を隠してはいけない
買主や借主から「過去にこの部屋で亡くなった人はいますか」「事件や事故があった物件ではありませんか」と直接質問された場合、売主や不動産業者は、知っている事実を隠してはいけません。
知っているにもかかわらず事実と異なる説明をした場合、不実告知となり、契約解除や損害賠償請求の対象になる可能性があります。気になることがある場合は、遠慮せず契約前に確認することが大切です。
重要事項説明書や告知書も確認する
広告図面に「告知事項あり」と記載されている場合は、その内容を必ず確認してください。また、口頭説明だけでなく、重要事項説明書や物件状況報告書、告知書などの書面にどのように記載されているかも確認する必要があります。
ゼロシステムズの仲介では、売主側に対して、過去に事件や事故で人が亡くなった物件ではないかを確認するようにしています。マイホーム購入では、価格や間取りだけでなく、安心して住めるかどうかも重要な判断材料です。
- ・気になることは契約前に必ず質問する
- ・口頭説明だけでなく書面も確認する
- ・安い理由が不明な物件は慎重に見る
まとめ:安さだけで判断せず納得して選ぶ
告知事項あり物件は、相場より安く購入できる可能性がありますが、心理的に納得できるかどうかは別問題です。事実を確認したうえで、自分や家族が納得できるかを基準に判断することが大切です。
重要なのは事実を知ったうえで判断すること
告知事項あり物件や心理的瑕疵物件は、価格が安く設定されることがあります。そのため、条件によっては購入を検討する人もいます。一方で、アンケート結果にも表れているように、価格に関係なく避けたいと考える人も多くいます。
大切なのは、安いから良い、告知事項があるから必ず悪いと単純に判断しないことです。どのような事情があるのかを確認し、自分や家族が納得して住めるかを基準に判断してください。
不安がある場合は専門家へ相談する
マイホーム購入では、物件価格、住宅ローン、建物の状態だけでなく、告知事項の有無も重要な確認項目です。特に、新築建売住宅では建物の見た目だけでは分からない事情もあります。
ゼロシステムズでは、新築一戸建てであれば買主側の仲介手数料を無料とし、専門家による住宅診断も無料で実施しています。家の購入や売却、住宅ローンや住宅診断についての疑問は、AI田中勲も24時間365日お答えしていますので、ぜひご活用ください。
- ・告知事項あり物件は価格だけで判断しない
- ・納得できない場合は無理に購入しない
- ・購入前に不動産会社や専門家へ確認する
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